有馬写真館の有馬です。
今回は昨年より何度かお邪魔している「あらいぐま人吉」の活動にてご紹介します。
写真洗浄ボランティアをされているボランティア団体であるあらいぐま人吉は水害などに被災された方の大切なお写真をきれいに洗浄してお返しするという活動を長年されています。
私は記念写真師として活動にとても強い興味をもち、昨年見学させていただいてから今は活動にも参加させていただいています。
私の使命は家族の宝である写真を最高の形で残していただくこと。
水害に遭われた方々のほとんどはその大切な写真を失ってしまうというお話を聞いて私も参加したいと思い、実際に活動に参加させていただいております。
先日は人吉の相良町公民館での活動に参加させていただきました。


写真の洗浄はすべて手作業です。
一枚一枚丁寧にアルバムから取り外し、用心深く洗っていきます。
写真をできるだけ残してきれいにできるよう、いくつもの工程が組み立てられています。
それぞれの写真に残された思い出の重みを感じつつ集中力のいる作業が続きますが、楽しくお話も交えながら有意義な活動をすることができています。
今回は私がデジタル技術で復元したお写真を依頼主の方にお渡しすることもできました。

こちらが今回修復したお写真。


正直言って修復はかなり難しいと思いましたが何とかここまで修復することができました。
AIも若干使用しましたが今回はほとんど手作業での修復となりました。
AIを使えばもっと何事もなかったかのようなきれいな写真にすることもできますが、それでは全く別物になってしまいます。
なるべく残された情報を活かしつつ逆に余計な情報を加えないように修復するというのが私のポリシーです。
写真の価値は写真を見た時に蘇る思い出や感動のクオリティで決まると思っています。
いくらAIできれいになってもそれが嘘では意味がありません。
写真に残された情報を丁寧に拾い上げていく作業を積み重ねてここまで仕上げることができました。
何もしなければ七五三の思い出以上に水害に遭った記憶の方が強く蘇ってしまう状況であったと思いますが、これでかなり印象も良くなったのではないかと思います。
写真洗浄の活動に参加させていただき、被災者の方々の生の声もいろいろと聞くことができました。
私の親せきも人吉で被災しています。
現地でどこまで水が来たのか教えてもらったり、更地になってしまった土地を目の当たりにすると水害の壮絶さを肌で感じます。
そして今もなおつらい思いをされている被災者の方々がたくさんいる。
その人たちのことを思うと写真を生業とするものとしてもっと何かできないだろうかと考えさせられます。
写真洗浄は非常に手間がかかる作業になります。
現在ボランティアで活動されていますがこの活動によって救われる人の心を考えると非常に価値のある活動です。
水害で濡れてしまった写真は泥水に浸かっているということもあり、あきらめてすぐに処分してしまう人がほとんどだということでした。
しかし写真洗浄をすることで救える写真がたくさんあります。
水害に遭ったアルバムがあるけどそのまま保管してある方はぜひあらいぐま人吉へ連絡してみてください。
親身になって相談に乗ってもらえると思います。
あらいぐま人吉 https://agumahitoyoshi.amebaownd.com
こちらの記事もぜひ参考にしてみてください。
いろんなイベントにも出展されて写真洗浄で写真が救えることを広める活動もされています。
見かけた際はぜひ立ち寄ってみてください。
今後も参加できるときには参加して、写真のプロとして修復などの活動でも力になれればと考えています。