熊本で有馬写真館というスタジオとオーダーメイドフォトブックのオンラインショップを経営しているプロカメラマンの有馬と申します。
お宮参り、七五三、成人式、結婚式など人生には記念写真を撮る機会がたくさんあります。
長年にわたり「本当に価値のある記念写真とは」ということをずっと追求し続けている記念写真カメラマンとして、みなさまにこれだけは知っておいてほしい、考えてほしいという点をまとめましたので軽くでもいいので目を通してお役に立てていただけたら幸いです。
当ブログでは「写真会」という言葉が出てきます。
私共の写真館では記念写真を撮るということを一つのイベントとしてとらえていただけるようあえて「写真会」と呼んでいます。
写真会についてはこちら
記念写真をより良いものにするためのポイント5選
記念写真をより良いものにするためにはどうすればいいと思いますか?
一般的に意外とあまり話題にならないトピックだと思いますが大事なポイントがいくつか存在します。
あまり考えずに撮影に臨む方が多いと思いますがちょっと考えるだけで残せる写真の価値が全然違いますのでぜひ参考にしてみてください。
早めに日程を決める
これは最終的に誰もがやることではありますが、ここで言いたいのはなるべく早めにということ。
直前になってからご予約される方もいらっしゃいますが、残念ながら先約があり撮影をお受けできないという経験をこれまで多く経験しています。
理想としては2か月くらいは前に日にちを決めておけたらと思いますが、いろいろとご事情もあるかと思いますのでできるだけ早めに検討してください。
そうすることで写真館やカメラマンのスケジュールを抑えることもできますし、衣装や美容室や撮影に参加する家族の予定も合わせやすいです。
もっと早めに検討すれば撮影する季節も選ぶことができます。
七五三、成人式、結婚式などの前撮りには特におすすめです。
今はカレンダーアプリを使っている方も多いと思いますので、事前に先の予定を仮にでも決めて検討しておくとスケジュールが見えやすいと思います。
余裕をもってスケジューリングすることにより以下にご説明する内容についてもじっくりと検討することができます。
ロケ撮影の場合は雨天の場合を想定して予備日を設けておくことも大切です。
テーマをはっきりさせる
1歳記念の写真会を例として考えてみます。
1歳の記念は七五三のように着物を着てというような一般的な概念はあまりありません。
服装も自由です。
何も考えずに写真館に行くとその写真館おすすめの衣装やグッズや背景で撮影することになります。
それが悪いということはないのですが、私はご家族のオリジナリティが加われば加わるほどいい記念写真になると考えていて、衣装や撮影に使う小物も持参されることをおすすめしています。
よくスタジオになるようなセットや小物もできる限り使わないようにしています。
余計なものがあると思い出の純度が下がるからです。
例えば服はママが気に入って買ってあげた思い入れのあるものにしてパパママもテイストの合うものを着ていくとか、小物としていつも遊んでいるおもちゃを持参してみたり、背景に飾るガーランドを手作りしてみるのもおすすめです。
服装を検討する
前項でも触れましたが服装も大事な要素になりますのでよく考えてから撮影に臨まれることをおすすめします。
七五三などの普段着でなく準備が必要なものについては購入するにしてもレンタルするにしても早めに押さえておかないと着せたいものが準備できなくなってしまいます。
家族で撮影する場合はある程度話し合ってコーディネートしていた方が写真の絵的な仕上がりが良くなります。
例えばマタニティフォトで奥様がマタニティドレスを着るのにご主人がたまたまその日選んだラフな普段着だとテイストが違いすぎて後で後悔するかもしれませんよね。
テーマカラーを決めてみたり柄をポイントコーデでそろえてみたりと出来ることはたくさんあります。
撮影する場所を検討する
写真会の場所としてはスタジオの他にロケもあります。
家族にとって思い出のある場所で撮影することにより、記念写真の価値がぐっと高まります。
ロケ撮影の場合は事前に許可申請が必要な場所もありますし、咲く花の種類も季節によって変わってくるなど事前に調べておくべきこともあります。
予定日に悪天候が予想される場合に想定して予備日を決めておきましょう。
将来写真を見返すところを想像する
これが一番のポイント。
記念写真の撮り方は多種多様で、自分たちがどのようにどこで誰に撮ってもらうかなど迷うこともあると思います。
そんな時は将来自分たちが写真を見返しているところを想像してみてください。
親御さんの場合は自分たち目線だけでなく子供たちが大きくなってから写真を見た時のことも考えてください。
おのずと答えが見えてくるはずです。
注意すべきポイント5選
人任せにしない
忙しい人が多い今の日本においてはついつい写真館任せ、カメラマン任せになってしまうという方も多いと思います。
しかしここは妥協して欲しくないんです。
記念写真は家族の財産であり絆の象徴です。
記念写真が残っているというだけで十分に価値はありますが、ここに家族の思いやアイディアが加わることにより、その価値は一層高まります。
人任せにしたことによりよくわからない奇妙な衣装や背景だったり、ファンシーすぎるなど好みではない世界観になってしまう、恥ずかしくて見ていられないポーズをさせられるなど、記念写真の価値を下げてしまうことも多々あります。
写真を見返すたびに微妙な感情がわいてしまい思い出や絆を感じる妨げになってしまいます。
写るメンバーをちゃんと検討する
写真会を開くとなったら子供だけ写る、家族全員写る、おじいちゃんおばあちゃんも一緒に写るなどの選択肢があると思います。
前述したとおりこの検討についてもスケジュールに余裕を持つことが大事になってきますのでお忘れなく。
これについては完全にご家庭のご事情によると思います。
どうするかはいろいろな兼ね合いを考えて、相談して決めていくのがいいと思います。
子供が大きくなった時には意外と自分の写真だけでなく親やじいちゃんばあちゃんの写真も見たいものです。私個人としてはもし可能であればお子さんだけの写真ではなくみんなで楽しんで写っていただけたらと思っています。
もちろん時によってはコアなメンバーだけで撮るのも全然ありです。
違和感を感じるものは避ける
抽象的な若干もんやりとした書き方になってしまうことをお許しください。
私自身が写真業を営むカメラマンという身ですのでお伝えしたいことをどう伝えるか難しい面はあるのですがカメラマンだからこそわかることもありますので出来る限り大切なことが伝わるよう書いてみます。
世の中にはそれはもうたくさんのフォトスタジオやフリーカメラマンが存在します。
カメラマンになったきっかけ、カメラマンになるまでの経歴、実力、撮影経験、人柄など様々です。
カメラマンになるのに資格なども必要ないため自分でプロカメラマンだと自称した瞬間からプロになれるというのがプロカメラマンの世界です。もちろん本当に本質的に「プロ」なのかどうかは別です。
カメラマンが売るのは写真だからInstagramを見れば実力がわかると思われがちですが、Instagramはよく撮れたものを載せるものですし、その写真が本当にその人が撮ったものかどうかも保証がありません。
それにその人がカメラマンとして上手いのかどうか判断するのは一般の方には限界があります。
フォロワー数やいいねでも判断するのは難しいです。
撮影技術はそこそこでも被写体が素晴らしければよい写真に見えたりもします。
Instagramが出始めだったころはフィルターをかけるだけでなんかいい感じに見えるということで流行ってたことありましたよね。
投稿された写真から違和感を見つけるのは難しいです。
しかしそれでも一般の方でもわかるレベルのものもありますのでそれを見つけたらそのインスピレーションは大事にした方がいいでしょう。
SNSの次はホームページがあればそこをチェックすることになります。
そこでもやはり違和感を感じるならば他も見た方がいいでしょう。
特に料金プランは要チェックです。
料金について全く触れていないところもたくさんありますが、料金を載せられない理由を考えてみるのもいいかもしれません。(載ってない=ダメというわけではありません)
とにかくネットでカメラマンの良し悪しを判断するのは難しいということは頭に入れておいてください。
縁起の良い日悪い日にこだわりすぎない
仏滅はよくない。友引はよくない。
など耳にしたことがあると思いますし、気にされる人も多いと思います。
しかしこれは本当に良くないのでしょうか?
本質的なところを探っていくと面白いことがわかってきます。
まずこの仏滅や友引とは何かというと六曜という今でいう七曜(月火水木金土日)の仲間で曜日のようなものなのです。
なんだか占いで決められたものがランダムにカレンダーに載っているように思えますが、占いなどではなくちゃんと規則にのっとって決められています。
七曜と違う点は月初めでリセットされ、始まりの曜日が順番に変わっていくというところです。
そしてこの六曜ですが実は仏教とも神道とも関係がありません。
もともと昔の中国あたりの国から伝わってきたものですが、昔から日本で使われていたというわけでもなく、日本での歴史は明治ごろからとそれほど深くはありません。
しかも使われだしたきっかけが大衆向けに販売が盛んになってきたカレンダーがより売れるように取り入れられたという経緯もあり、それをしれば知るほど今まで気にしてきたことがばからしくなってきます。
それどころか曜日の順序や文字までも変わってきているようで、それを思うと余計に気にする必要がないなという気持ちがわいてきます。
ただ周りに気にする人がいる以上はそこに対する配慮はあってもいいと思います。
本来の意味などほとんどの人が知らない状態で広まっているいわゆる民間信仰のようなものです。
もし大切な日が仏滅のときもこの記事を思い出してください、大安であれば素直に喜びにつなげてください。
残す形を考えておく
どんなアルバムにするのか、飾るためのパネルも作るのか。
撮影前の段階ではこれを具体的に考えていない方も多いと思います。
スタジオで撮る場合には実際行って実物を見てみないとわからないこともありますからね。
お店選びの段階でホームページなどで確認しておくといいと思います。
データだけのところはおすすめはしませんがデータだけ納品してもらった場合もご自分で何らかの形で印刷して飾ったりアルバムにすることを強くおすすめします。
形にせずにデータのままにしておくのは写真が存在していないのと同じことです。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
写真を撮るって結構考えないといけないことや決めておかないといけないことがありますよね。
そしてなんといっても写真屋さん選びが難しい!
私自身も写真館を経営しておりますが本当にお客様とは巡り合わせだなと思っております。
七五三や誕生日など早くから検討できるものがほとんど。
とにかく段取りが大切で検討は早くからしておいた方がいい。
これだけでも頭に入れていただけたらこの記事を書いたかいがあるというもの。
記念写真はちゃんと残っているだけで十分に価値があると思っておりますが、どうせなら悔いのない、家族みんながずっと価値を感じていただけるものになってほしいですよね。
写真はどれだけの想いが込められているか、そしてそれが見返した時にどれだけの純度で伝わるかがその価値を決める一番重要な要素となります。
たくさんの思い出を家宝として残していただけることを願っています。
熊本市と天草を中心に活動するちょっと変わったこだわりの写真館
オーダーメイドで写真修正とレイアウトして作るフォトアルバム
代表 有馬明広