熊本市&天草市のフォトスタジオ【有馬写真館】の代表の有馬です。
カメラマンではなく記念写真研究家を自称して活動しています。
数千件の幅広いジャンルの記念撮影を経験。
高校時代から学び始めた写真編集ソフトPhotoshopの使用歴27年。
画像処理のスペシャリストでもあります。
スタジオ撮影だけでなく熊本県内外への出張撮影など幅広く活動しつつ、PAPi PHOTO WORKSというオーダーメイドフォトアルバムのオンラインショップにて全国へ世界に一つだけのアルバムをお届けしています。
今回は写真加工に関する最新AIについてご紹介します。
AIによる画像処理

最近またAIという言葉を見聞きするようになりました。
特にAIによる画像生成が注目を浴びてますのでご存じの方も多いのではないでしょうか?
AIとは人工知能のことですが、つまりは誰かが開発したプログラムのことです。
画像処理に使われるAIは主にニューラルネットワークというものが使われていますがこれは簡単に言うと脳みその細胞の働きをプログラムで再現したものになります。
人間は絵を何度も見たり書いたりすることで絵のかき方を覚えたり、それを応用することができますよね。
例えばドラゴンボールのキャラクターを何度も描いているとお手本を見なくても描けるようになりますし、「ブルマがフリーザにカメハメ波してる絵を描いて!」といわれても描けちゃったりします。
すでにAIでもそれが出来つつあります。
人間はいろんなキャラクターを描けば書くほどに脳の中に蓄積されていきますし、どんどん応用も利くようになっていきます。
AIも同じようにたくさんの画像を学習させることにより、それを元に新たな画像を作り出すことができるのです。
この技術を用いればぼやけてしまった写真を復活させたり、白黒の写真をカラーにすることも可能になるというわけです。
最新AIよるカラー化
SNSなどで昔の白黒写真をカラー化したものをご覧になったこともあるかもしれませんね。
私の記憶では10年くらい前にもカラー化の試みはあったと思いますがそれらはAIではなく人間によって地道に塗り絵のように色を付けていくというものでした。
なのでカラー化といっても部分的だったり、色が付いたところも単色でのっぺりしていたりと不自然さはぬぐえない状況でした。
しかしAIの登場により、かなり自然な色付けができるようになり、数年前はそうでもありませんでしたが2022年現在のAIはかなり優秀です。
人間の顔や植物などは学習による再現がしやすいのもあって再現度が特に高いです。


どうでしょうか?
カラー化することにどのような意味があるか実際に見ればご理解いただけると思います。
色が付くことにより思い出や記憶がより鮮明によみがえるのが想像できると思います。
これがカラー化することの一番の意味であり価値です。
昔は色がなかったのではなく色付きの写真が残せなかっただけ。
当時の鮮やかな色付きの記憶がよみがえる感動をよりたくさんの方に味わって感動していただけたらとこのサービスを開始しました。
最新AIによる高画質化
昔の写真は今のものよりもピントが甘く、少しぼやけているものが多くあります。
もしくはプリントされた写真が小さいためディテールが失われているという場合もあります。
そのような写真をそのまま大きくしても全体がぼやっとしてしまいますが、最新のAIでは元の写真には残っていない細かい部分を復活させることができます。

このように比較してみるとわかりやすいのですが、特に目の周りや眉毛や髪の毛などが復元されています。ノイズも除去しているのでより鮮明な印象になりました。
最終的には人の手による作業が必要
これまでいくつか実際の画像を出してAIによる画像処理をご紹介してきましたが、AIというものはそれほど万能なものでもありません。
下の画像を見比べてみてください。

左の画像はAIでカラー化しただけの画像で右の画像はAI処理を人の目でみて若干調整を加えたものです。
新郎の袴をみていただければわかると思いますが、色がグラデーションになっています。
人が見れば当時の袴でこのようなグラデーションの入った袴などないのでおかしいと気づくことができますが、AIではそこまで判断することはできません。
他にも新郎の口元が不自然に赤くなっていたり、新婦の帯揚げの色がありえない地味な色で再現されているなど人が見るとおかしな部分がいくつかあります。
見比べていただけると人による調整の必要性がわかっていただけると思います。

この画像は色調整に加えてAIによる高画質化を施したものになります。
写真上の傷や汚れもAIによってある程度除去されています。
これは一見問題なさそうにも見えますがよく見るとAIならではのミスも見受けられます。

これも比較してみるとわかりやすいのですが、右の赤丸の部分に注目してください。
AIが木の枝を写真の傷だと判断したため消されてしまっています。着物の縫い合わせの部分や家紋も消えてしまっています。扇子の紐も消えてますね。
他にも地面のコンクリートと土の境目や足元など修正する必要のないところまで勝手に修正で消されてしまっています。
AIはあくまでAIであり、できることには限界があります。
この写真についてはまだまだ手を加えるとよくなる余地がありますので、プロの技術者が目で判断しながら適切な処置を施していくことでもっと見違えてくるでしょう。
より良い作品にしあげるためには人の感性と脳に蓄積された経験を元とした判断力が不可欠です。
そして、人の心を動かす作品は熱い気持ちを持った人の心でしかなしえないことも確かです。
加工して遺影写真にも活用できる
こちらの画像は私の経営する写真館に相談にこられたお客様からお預かりしたお写真です。
これももちろん許可をいただきご紹介させていただいております。

お父様の遺影がなくてずっと気になっていたというご老人からの依頼でした。おんぶされている赤ちゃんは依頼者本人です。
こちらもまずはAIとマニュアル操作を駆使してカラー化して復元しました。
そしてそれを元に制作した遺影がこちらです。

一昔前であの元のお写真からここまでの作品にするのは相当手間のかかる作業だったと思います。
角度を合わせてちょうど合うお着物の画像を合成し、後頭部など隠れている部分を再現して制作しました。
優しそうな良い表情のお写真でしたので素敵な遺影になり、とても喜んでいただけました。
おじいちゃんおばあちゃんへ最高のプレゼント
これまでにもすでにたくさんの方にAI技術を取り入れた古い写真の修復のご依頼をいただきましたが、みなさんの反応は予想以上で、私もとてもやりがいを感じています。
たくさんの驚きと喜びの声を聞いてAIによって可能となった高画質化とカラー化の一番の恩恵は、やはり当時の記憶がより鮮明に思い出されることなんだなと思いました。
記念写真の一番の存在価値、存在理由は思い出を残せるということ。
当時の空気感がありありと蘇ることにより、復活した写真を見た人に感動をあたえます。
これまでご紹介してきたお写真たちをみてもわかっていただけると思います。
もし古い写真を大事にされている大切な人がいたらぜひ私にお任せください。
最高のプレゼントとなる作品を責任もって制作させていただきます。
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プロカメラマンがオーダーメイドでスマホの写真でも一生もののアルバムに仕上げます。

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熊本を中心に記念写真だけでなく広告撮影・イベント撮影など幅広い撮影を行っています。
